急に人を

急に人を信用できなくなる時がある。つい数秒前までは完全にこの世の全てを信用していたというのにも関わらず、些細な瞬きの前後で、目に映る世界が全て信用に足らない世界に再構築されている。信用している人に裏切られた事がある。とは言っても僕がずっと被害者だったわけではなく、僕は人の信用を裏切ることに賭けては、少しばかり自信がある。であるからにして、僕が裏切られるとことも春夏秋冬季節が順序正しく回るように、世界の理のようにも思える。ただ、僕は常に裏切られている。今も誰かに裏切られ続けていて、死ぬまでずっと裏切られている。一度大きな裏切りを受けると、そこに信用という名の花は咲かず、裏切りという名の花は枯れることなくずっとその場で咲き続ける。そしてその花は存在を簡単に忘れるほど小さく、記憶力の一切ない僕といえば、すぐに人を信用してしまう。そのようにして人を信用して何も考えずに生きていると、ふとした瞬間に足元のその花の存在に気づき、世界がぐらりと揺れて、誰も信用できない世界へと再構築されてしまう。そのような生き方をしていると無性にカロリーを消費するが、最近は鍋ばかり食べているので消費カロリーが摂取カロリーを永遠に上回り続けて僕の質量はゼロに収束する。