マウンティングを取るためにアートを買おうとしてしまった

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久しぶりに原宿で山手線から降りて、オートモアイさんの展示を初日に観に行った。コンドマニアが無くなっていたり、GUが出来ていたりと街は少しづつ変わっていた。オートアイさんの今回の展示では、以前のモノクロのスタイルという事で推されていたのだけれど、もっと昔の彼女の作品は極彩色で沢山の色を使っていたのだから、寧ろ今の作風の方が原点なんじゃないのかなとか思ったりもした。PARCOXの時はなかなかどうしてという感じで寂しい気持ちで展示を後にしたのだけれど、今回の展示ではビクンビクンきちゃって本当にやばかったです。最高でした。特に大きなサイズのペインティングが30数万円で本当に買おうかどうか悩んだのだけれど、今年の目標が投資である事と、奥さんにブーツをプレゼントしてあげた方が奥さんもハッピーの可能性が高いなとか雑念に惑わされて作品の購入を諦めた。ただ本当はそれだけではなくて、絵を買うという事について自分の中で整理出来ていないという事が大きいように思う。具体的に言えば、今回の展示で居合わせたお客さん数人はsupremeのフーディーに最新のキックスを合わせた若めの男性だったり、ハイブランドのトートバッグを肩からかけたおじさんだったりしたのだけれど、彼らはずっと写真を撮っているだけで絵を買おうかなとかいう気持ちが薄いように思えた。その時に僕が考えたことは今ここで絵を買ったらこの人たちは驚くのかなという事だった。もっと魂のレベルの低い言葉で言えば、今僕がここで30数万円の絵をリザーブすれば、ここにいる人達にマウンティングがとれるのではないかという事だった。すげーなとかお金持ってるねとか思われたいがために僕は絵を買おうかなとか一瞬でも思ったのだ。マウンティングを取るために絵を買うなんて本当に最低だと思うし、それじゃあよく分からないナイキのスニーカーを並んで買っている人達と同じになってしまう。個人的には支援したいというか、僕は安定的な企業で安定的な職業についているので、アーティスト達には最大限のリスペクトを込めてお金を払いたい。今までは大変だと思うけれどそのような生き方をしてくれてありがとうというような気持ちを伝えるためにお金を払って絵を買っていたのに、僕はついにマウンティングを取るためにアートを買おうとしたのだ。美術館に頻繁の行く層やアートコレクターには少なからず優越感を持ち合わせている人が多いということはよく聞くけれど自分がそうなってしまったらもう終わり。よくよく考えてみれば僕は今話題のニヒルな女の子のポートレイトを描くアーティストの作品を、これを買えばそのうち高く売れるんだろうなとか、人気があるのだから良いアートなのだろうとか思って一度買いそうになった事がある。アートの世界には明確な基準がなく、自分の好きなものを好きと自信をもって言える世界なのに、自分がこころの底から好きだと言えないものを、周りの評価や値上げ幅に惑わされてしまってはもう人間としては終わりだなと思ったりもした。今回はギリギリのところで耐え忍んだのだけれど、いつかアーティストへのリスペクトではなくコレクターとしての箔付とか投機目的とかのためにアートを買うようになってしまったら僕は地獄の業火に焼かれて念仏マストです。オートアイさんの作品は本当にビクンビクンしちゃうほど良かったので、次回の個展では最大限のリスペクトを持って購入させていただきたい所存です。