曽我部恵一『それから』下北沢CLUB DUO

The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019- [ROSE-242]

下北沢DUOで曽我部恵一ワンマン『それから』を聴いた。僕はキャンセルで出たラッキーチケットなので多少の遠慮感もあって開演時間の10分前にDUOに向かった。DUOの階段の前にスマホの画面に「チケット譲ってください」と書かれた画像を表示して、無言でこちらを見つめてくる男女がいた。テクノロジー。

DUOの室内に入ると100席分の椅子が設置されていて、端の空いている席に腰を下ろし、シャンディガフを飲みながら、暗転を待つ。暗転そして開演。

なんだか最近の曽我部さんのアー写は今まで以上に異常にお洒落で、コーネリアスみたいだなと勝手に思っていたのだけれど、ステージに現れた曽我部さんはちゃんとおじさんで、ネイビーのシャツのインナーに普通の白の下着のようなペラペラのTシャツを着ていて安心する。ピックを持つ右手の薬指で、時折ステージの照明に反射して光るゴールドの指輪。

曽我部がギターを鳴らして、声を出せばもう全てがどうでも良くなる。身体の中が全て音楽で満たされる。ライブの感想としては本当にそれだけで、何が良かったとかでは無くて、音楽が溢れていたという事だけが全てだったように思う。ライブの半分以上の時間を目を瞑って聴いていた。今は視力は必要がないと思った。耳と脳と心臓で直列回路を作り、その回路をぐるぐると巡る電流。ライブが終わった頃にはもうボロボロで何も覚えていないのだけれど、幸福な時間だった感触だけが残っている。曽我部恵一がいるという事は良い事だなと思った。いつか『ヘブン』を中心にしたセットでのライブが観れればいいな。