抜け出して新宿の15時

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代々木で講習会があって、午後はずっと薄暗いホールの狭くて硬い椅子に座って過ごす予定だったのだけれど、1時間も寝てしまったらもう完全に目が覚めてしまった。もうこれ以上眠ることも出来ないし、これ以上ここにいてもしょうがない。トイレ休憩で部屋を出る人たちの流れに、紛れ込んでそのまま建物の外へ出る。

まだ15時で10月ももう終わるとは思えないような気温と日差しの暖かさに気を良くした僕は、新宿駅まで歩くことにした。

平日の昼に外を歩いていると、ああ世界はこのような優しい光に包まれているのだなといつも思う。毎日LEDの照明に包まれた執務室で、PCを覗き込んでいるのが馬鹿らしくなる。僕は本当はこのような生活がしたいのだ。優しい光に包まれていると、人々はみんな太陽光で温められて少しだけ柔らかくなっているように思えて、みんな優しそうに見える。

時々外に出て街をぷらぷらと歩くことが好きで、学生時代に京都にいた時は碁盤目に出来た、文字通り右から左へと街を歩き回っていた事を思い出す。

以前とても晴れていた2月の平日に、お昼前に目を覚ました僕は、部屋に入り込んでくるその圧倒的な春の日差しを見て当時付き合っていた恋人に「晴れているからデートをしよう」とメッセージを送った。彼女は(僕だって)授業を抜けて、今出川の交差点で待ち合わせをした僕たちは京都の春の日差しを浴びて、夷川通りを散歩した。照明専門店parabolaで僕は小さな照明を買い、新しくできたドーナツ屋でドーナツを2つ買って食べながら歩いた。

そのような事を思い出しながら新宿の街を歩いて、紀伊國屋で本を買って家に帰る電車に乗り込んだ。僕は一体どのようにして生きていけばいいのでしょうかという気持ちになりました。