モキュメンタリー映画『容疑者ホアキン・フェニックス』を観てから以来ホアキン・フェニックスが好きでしょうがない。普通の人間がぶっ飛んだ成れの果てみたいな役柄が多いのは前からだけれど、JOKERってこれもまた成れの果て。ついにそこまで行ってしまったのかと思いながら監督を見ると『ハングオーバー』のトッド。このタッグがJOKERともタッグを組むってそれは期待するしかないでしょというのが本編を見る前に映画館のソファでポップコーンを口に放り込んでいた僕の考えていた事。
あらすじ
時代はゴッサムシティの大恐慌時代。不況で街にはゴミは溢れ、ブルースはまだ子供でバッドマンはまだ存在しない。ホアキン・フェニックス演じるアーサーは、精神的に狂った両親からの虐待によって自分も精神を病んでしまうけれど、アーサーはまだそれを知らない。何もなくても笑ってしまう病院と虐待による妄想癖。彼はクラウンの仕事をしながらコメディアンを目指している。そんな生活の中で銃を手に入れた彼の妄想と狂気は加速していく。
サイコおじさんの日常系アニメ
個人的にはサイコおじさんの日常系アニメという感じで特に面白いだとか、考えさせられるという事もなくぼーっとしながら画面を見つめていた。派手な戦闘シーンも分かりやすいCGもなく、淡々とサイコおじさんのある地点からJOKERになるまでの日常が描かれている。
ホアキンフェニックスのヤバさ
この映画がやばいやばい騒がれるのってそれはほとんどホアキンフェニックスの演技力なんじゃないのかなと思ってしまう。この映画の中でやばいと思ったのって話の内容がどうこうよりも、ホアキンフェニックスの演技だけじゃなかったですか。ホアキンフェニックスの前では竹中直人なんてゴミ以下の存在という事が泣きながら笑う人で実感したよ。映画が終わった後にパラパラと拍手が聞こえてきたけれどそれは、映画にというよりもホアキンに対してだったのだと思う。ロジャーみたいにホアキンもJOKERに引っ張られて死んでしまうみたいな事がないように心のケアを超たくさんしてあげて欲しい。
みんな共感したんでしょ
それで結局のところ、多くの人はこの映画をみてただただ共感したんだと思う。こいつイカれてるなーサイコ野郎だなとか特に思わずにすんなり映画に没入できてしまったのがもう既にみんなJOKERSの一員になってしまったという事で、あー恐ろしいですね。
口を切らなくて良かった
ジョーカー口を割いてしまうイメージがあったのでいつくるかとビクビクしながら見ていたのだけれど、意外にも切らなくて本当に良かった。途中でハサミを取り出すシーンはちょっとまさかとか思ったけれどセーフ。アウトだけど。
ジョーカーという超有名サイコヴィランというよりは病気のアーサーの映画。スリップストリーム小説みたいなギミックを借りた純文学的映画でした。アカデミー賞は取れないでしょ。