「オナニーする時間に仕事をしろ」と言われた

お金を稼ごうかなという安易な気持ちで知り合いのお金持ちにお金をどうすれば稼げばいいのかという話を聞きに行ったら「オナニーをする時間に仕事をしろ」と言われた。

彼は既に70歳を超えたおじさんで、「オナニーをする時間に仕事をしろ」と言うような下(シモ)い人ではなく、品のあるおしゃれなおじさんだった。時々池袋のバーで遭遇する彼にどうやってお金持ちになったのかと聞くと彼は良い女を抱きたいという一心でお金を稼いだという話を聞かされてどこぞのドンファンを思い出してクラクラしてしまった。彼は今では綺麗な顔立ちのジェントルマンだけれど若い頃は少し太っていて、全くモテることがなかったらしい。モテないから自分で処理をするしかなく、その手の雑誌を相当数所有していたと言っていた。いつものように雑誌を眺めていると自分の人生に虚しさを覚えたという。この美しい女性を俺は眺めることしか出来ないと。その時に彼が自分に課したのは今後一切自分で処理をしないということだった。それに加えて処理に使う時間を全て仕事に捧げるということだった。彼は毎日どうすることもできない気持ちを仕事に全てぶつけて若い頃を過ごした。20代後半で自らに課したその鎖を断ち切り、実際に女性とラブいことが出来るようになったのは30代後半でそれからはもう怒涛の夢見たドンファンディーを過ごし今に至るという事だった。池袋の喫茶店でアイスコーヒーを飲みながら、嬉しそうに自分のサクセスストーリーを喋る彼はとてもいきいきしていた。

まあ確かにそうかもね性的衝動をずこんと労働意欲に変えればいいかもねと思ったけれどそこまでしてお金稼ぎたくないな、オナニーをする時間でアニメみて本読んだりしたいなと思ったのだった。