アトピーと生活

ほとんど完治したアトピーの事を中心に

ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』

ミランダ・ジュライ初の長編小説なんだけれど、僕はこの『最初の悪い男』が最初の最高なミランダ・ジュライ作品だったので他の作品とのどちらが優れているのかは分からない。ただ単純にお洒落な作家の代表格みたいなイメージで興味があったので読んでみた。

最初の悪い男 (新潮クレスト・ブックス)

最初の悪い男 (新潮クレスト・ブックス)

 

未婚中年女性の主人公の家に会社の上司の娘が転がり込んでくる。話としてはそれだけで、主要な登場人物もそれほど多くはないのだけれど、それぞれの登場自分を多角的に、いくつもの側面から観測して描き出すことで登場人物の人数以上の広がりを感じることができる。主人公のシェリルで言えばかなりイタい中年女性から、割と狂った性欲魔獣、まあまあイタい恋人、どこにでもいるヤバめな母親というように物語の中でいくつも姿を変えている。もうひとりの主人公クリーはシェリルほど劇的に姿を変えているようには見えないけれど、緩やかに少女から恋人、母親、そしてまた少女に戻るようなグラデーションを描いている。

話の途中で描かれる女2人の強めのバイオレンス。これが書きかかっただけではと思ってしまうほどいきいきと書かれていた。

ゆらゆら帝国の『ゆらゆら帝国で考え中』を思い出す。そんな本だった。

それは単純だけど
少しの目の位置で何にでも変われるって
馬に変身 盛り上がって
ないときもなんらかの楽しみかたがあって
迷子になった覚えはない
スピードに乗ってる実感もない
でも最後に飛び乗った わけもないぜ

1998-2004

1998-2004