アトピーと生活

ほとんど完治したアトピーの事を中心に

越前魔太郎/舞城王太郎『冥王星O デッドドールのダブルD』

複数の作家のキメラとしての越前魔太郎作品を舞城王太郎が書いているのが『冥王星O デッドドールのダブルD』。

魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)

魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)

 

魔界探偵の冥王星Oが人狼・吸血鬼・人間が絡む事件を解決していく。ラノベの文脈を利用した舞城王太郎的ファンタジー。主人公の冥王星Oの思考や言葉使いが完全にオタクだし、現実世界ではもう全てが無理だから別次元でがんばるお感が本当にラノベで最高に気持ち悪くて、尚且つめちゃくちゃつまらなくて流石舞城王太郎。ラノベなので戦闘シーンや状況描写が多い。主人公の思考のドライヴに割く文字数が少ない。舞城王太郎に興味のある人がAmazonのマケプレで買おうか迷う作品だと思うのだけれど、送料が勿体ないから買わなくて良いよ。古本屋で100円で売っているのを見つければ買えば良いと思う。個人的に舞城王太郎作品の良さひとつは一人称の口語から繰り出されるドライブ感のある分圧だと思っているので少し不完全燃焼。それでも急にスイッチの入る主人公の脳内の働きは、その場で起きている状況を全て凌駕してしまうのでオーケイ。アルコール依存症の主人公が恋をしたのは人間で出来たバイオリンだし、吸血鬼に育てられた人間の少女は麻取捜査官に恋をする。冥王星Oは魔物に好意を寄せられる。種の戦いを終えた後に訪れる一瞬の平穏の中に、種を越えた恋の華の蕾が開き掛ける。結局の所この世の全てはラブコメ。

魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)

魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)