ECD「ホームシック:生活(2〜3人分)」

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吉祥寺のバサラブックスで買ったラッパーECDのホームシックを読み終えました。これまで奥さんである植本一子さんの本は読んだ事があったのだけれど石田さん(そう呼ばせてもらう)の文章のまとまった文章を読むのはこれが初めてでした。本当に良い本でした。

ホームシック: 生活(2~3人分) (ちくま文庫)

ホームシック: 生活(2~3人分) (ちくま文庫)

 

石田さんの後書きにも書かれているようにこの本には2007年から2008年までの約1年間の石田家の日常が綴られている。石田さんと植本一子さんの結婚前の話から長女のくらしちゃんが生まれるまでの記録。タイトルにもある生活(2〜3人分)というのはつまりそういうことなのだろうと今気付いた。

ひとりで暮らしている生活ならまだしも、夫婦や複数人で暮らしている生活にはひとつの出来事でも人の数だけの見方がある。石田さんと一子さん、同じ生活を送っていても見ているものも考えている事も違うという当たり前の事を本を読んで考えていた。石田さんの文章の合間に挟まれる写真家である奥さん一子さんの生活を切り取った写真も素晴らしくてハゲのおじさんの写真なのに胸がきゅーと苦しくなる瞬間がある。後書きでも書かれているように写真の中の石田さんのように結婚をしたからにはこういう表情を奥さんに見せないといけないのだ。結婚するというにはそういう事なのだ。この世には、少なくとも僕と君との間には愛しかないよと伝えるため笑顔があってそういった類の顔を無意識にしてしまうのが結婚であって結婚生活というものだと思う。

2018年の1月24日に57歳で生涯を終えた石田の記憶や記録を断片的であるものの感じ取れてただ僕は嬉しいと思う。ご冥福をお祈りしますとかそういう言葉ではなく、くらしちゃんとえんちゃんという2人のお子さんがスクスクと元気に育つように祈らずにはいられないのだ。