アトピーと生活

ほとんど完治したアトピーの事を中心に

曽我部恵一「ヘブン」の感想

ヘブン [ROSE-235]

文才という才能がこの世界にはあるらしくてその才能ってどんなのよと思って文才で調べてみると文章を書く才能という事らしい。それは分かるよ。文字のまんまだもん。それよりもその文章の上手いとか下手とかが既に僕には分からない。僕の中での勝手な基準は曽我部恵一の音楽を聴いてどのように文字に起こせるかが文才があるかないかの基準になっている。そういった意味では僕には全く文才がなくて感受性がない。ああこの歌詞は何を示していてとか、ここが前に曲のこれでとか、このアルバムのテーマはは一貫してなにそれでみたいな事が全く分からない。Spotifyで好きな音楽を聞いている時の感想は「最高〜」とそれはそれはもう適当なのだ。

2018年の曽我部恵一がやばいという話を東京のマンションの屋上で煙草を吸いながら友人に話したのが今年の夏で、その時はちょうどファッキュー音頭がリリースされた時だった。ファッキュー音頭て。MVの女優さんが麗しく、振り向きざまの笑顔で中指を立てるその映像は明るいファッキューなのかもう突き抜けて頭がおかしくなったファッキューなのか分からなかった。そんな話をしていたのが2018年の夏で、2018年の冬に曽我部がまたやった。全曲ラップのアルバム「ヘブン」をリリースしたのだ。おそろしい。PSGとのサマーシンフォニーやMGFとの優しくしないでなど曽我部恵一とラップが絡むととんでもない名曲が生まれる。夏が終われば短い秋が来るし、その秋が終われば厳しい冬がくる。同じように曽我部がラップと絡むと名曲が生まれる。その曽我部が今アルバムではひとりでラップをリリース。一体どういう心境ですかと思って調べるとPUNPEEのライブでのリハーサルでの出来事で天啓を受けたらしい。詳細はステートメントに書いてあるので読んでみて下さい。

一曲目の「small town summer wing」はceroっぽいイントロから始まりここから曽我部恵一的なヒップホップが始まる。

来世で愛し合えたら

来世でも愛し合えたらいいね

印象的なキュートなサビ。これをヒップホップで言うフロウと言うのか分からないけれどこんなんぶち込まれたらヒップホップ界隈はどうしたらいいんだ。

「文学」はモノクロの世界でロックっぽいトラックに乗せてそ曽我部が文学を歌う。文学という言葉の重さを軽くしないで重いままに届ける感じ。

世界その割れ目からの文学

文学なのだ。ナチュラルボーン詩人がラップ、ポエトリーリーディングを表現の手法として選択すればそれは文学なのだ。マジでやばい。気の抜けた声のくせして脳に強烈な一撃をぶち込んでくる。

今流行りのチルい感じの日本語ラップとは全く違くて割と重くて黒くてどろどろしているラップ。その中から突き抜けていくような文学という芸術。これめちゃくちゃいいのよ。知識がないのでなにがいいのかとか分からないけれど。オサレな感じでスマートフォンでリリックを書いているのではなく、和紙に墨汁で書いたリリック。

他にもBIMやPUNPEE(夜行性を聴いた時はft.PUNPEEかと思いました)からインスパイアされたような曲調が詰まりに詰まったヘブン。

2019年も楽しませてください。

ヘブン [ROSE-235]

ヘブン [ROSE-235]