【北海道・函館】ラッキーピエロは育ちの悪いモスバーガーだった

北海道旅行の初日は函館。函館は何もない何もないと周りの人に言われたけれど、そんな事はない。ラッキーピエロがある。それ以外は何もない。

函館空港に9時頃に着き、シャトルバスで函館市内まで向かう。シャトルバスの窓から見える函館の街は冷たい。寒いとか暖かいとかの表現は適切では無くて、冷たい。車窓からは海や牧場に放されている羊が見える。北海道感が強い。強すぎる。

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40分くらい外の景色を見えていると函館駅に着く。バスを降りた瞬間に先週の上田とは圧倒的な強度の違いを持った冷気が身体中に吹き付ける。これやばいっすねとか言いながら函館駅に避難。2階にあるコインロッカーにバックパックを預けて函館散策に向かう。朝市で活イカの刺身を食べるぞと意気込んだものの、活イカがどこにもない。あれだけガイドブックやネット上では函館に来たら活イカイカソーメンを食べよう!とか書いてあるのにどこの店に行ってもない。人口の生簀でイカ釣りをやっているお店に行くとイカではなくエビがわらわらと生簀の地面を歩いている始末。僕は函館に何をしに来たのだろうと海老を見ていたら店のおじさんに言われる。

イカの刺身食いたいのか?今日は不漁だったからどこにも売ってねえぞ。でも同じくらい美味いイカの刺身ならうちの店で食えるよ。

別にイカが食べたい訳ではなくて活イカを食べたいのです。あとめちゃくちゃ信用できない。それだけなのですと丁寧にお断りしてして市場の散策を続ける。

ここで重要な事に気付く。ナマモノ別に食べたくない。朝だし全然食べたくない。僕も奥さんも総じてナマモノが食べたくない。2人中2人がナマモノを食べたくないのだからこれは人類の総意ではないかという事になり、ちゃんと「調理してある料理」が食べられるお店を探す。朝市を出て函館を散策する。途中日和って小洒落たビルディングの一画をリノベーションしたカフェでワッフルを食べようか迷ったりもしたけれど函館に来たからにはピエロを、ラッキーなピエロを拝まないわけにはいかないという事でラッキーピエロベイエリア本店に向かう。

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途中で日本最古のコンクリート電柱という土木er歓喜ホットスポットがあった。

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ラッキーピエロに僕たちが着いたのが丁度10:00くらい。オープン直後なのにめちゃくちゃ人が沢山いて凄い。

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店内に大量に貼られてあるポスター、チラシ。色を大量に使う事でお馴染みのドンキホーテとほとんどおなじ店内。最高でしょ。色が沢山あるだけで嬉しくなってしまう側の人間なのでブチ上がって脳が死にました。アーメン。開店直後だったのでブランコの席に着くことが出来てラッキー。

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僕はダントツ人気ナンバーワンセットを、奥さんはラッキーエッグバーガー。ダントツ人気ナンバーワンセットはホワイトソースのかかったフライドポテトと、甘酸っぱいソースの掛かったチャイニーズチキンバーガーと無料の烏龍茶の組み合わせ。烏龍茶は料金に入っていないので珈琲が飲みたい場合は烏龍茶と珈琲を頼む事になるけれどチェイサーとして最高の働きをしてくれる烏龍茶はマジで重要。本当にいい子チャイニーズチキンバーガーは意外にも正統派というか非常にしっかりと構成されている味がした。とてもシンプルな構成なのにちゃんと高いレベルでまとまっているのに興奮した。奥さんのラッキーエッグバーガーはそれはもう完成度のとても高いハンバーガーで御座いました。

だがしかし、ずっと違和感を感じる。商品がトレーに載せられて運ばれて来た瞬間から、食べている時、そして食べ終わった後でさえも謎の違和感を感じる。見た目、味、ドンキホーテを装った室内意匠計画の中に見え隠れするコンセプト。何かが引っかかる。既視感が確実にある。悩んでいても一向に分からない。全く晴れることのないそのモヤモヤに付き合っている時間はないのでトレーを片付けて店員さんに礼をいって外に出る。函館の冬の匂いがする。海が近くからか少しだけ潮の香りが漂う。寒い寒い言いながらも、かじかんだ手を押さえつけながらライターで煙草に火を付ける。その瞬間に全てを理解した。モスバーガーだ。あのトレーと包装紙、ラッキーエッグバーガーのソースとパテの肉感、バンズの温かさと柔らかさ。モスバーガーだ。ラッキーピエロは育ちの悪いモスバーガーだ。いい意味で育ちの悪いモスバーガーだ。田舎で、大自然の中で天然由来の成分で育ち幸せに囲まれて大きくなったモスバーガーと、漁港と中途半端な街のある地方に生まれ育ち高校を中退したラッキーピエロ。ふたりは外見は違えど心の双子なのだ。舞城王太郎トム・ジョーンズがそうであるようにどれだけ物理的な距離が彼らを隔てようとも精神的な双子なのだ。ああそういう事か。全てはモスバーガーだったのだ。吸って吐いた息のあまりの白さに驚いてそんな事はどうでも良くなってしまったのだけれど。